アメリカでの賃貸の家探しと注意点 (後編)
こんにちは。オレゴン駐在員のオレオです。
今日はアメリカに赴任すると必要になる賃貸の家探しに関して書こうと思います。記事が長いので二回に分けてますがこれは後編です。
前編では以下の情報を説明しました。
- アメリカでの家の種類と呼び方
- アメリカの賃貸の家探し事情
- 必要書類
それでは早速後編スタートします。
賃貸を選ぶポイント
大まかな流れや必要書類が分かったところで、次に具体的な賃貸を選ぶ上でのポイントを纏めていきます。上から順に重要度が高いと考えて下さい。
- 治安
- 通勤時間
- 学校(子供がいる場合)
- 周りに日本人が多いか
- 周辺環境
治安
治安はアメリカで住むうえで最重要ポイントです。場所によっては日常的に発砲事件が発生するような場所もあるので、そういう場所は絶対に避けるように注意しましょう。よく聞く話ですがダウンタウンに近ければ治安は悪いです。また低所得層の多いアパートが集まる場所も治安悪いです。ぱっと見分かり辛いかもしれませんが、そういう場所はゴミが多かったり、家でも庭が荒れていたり雑草伸び放題だったりするので五感で感じて下さい。因みにオレオの家は治安の良いところにありますが、庭の手入れを怠ったため雑草伸び放題でオレオ家のみ局地的に治安が悪そうに見えますw。しかし前編にも書いたように仲介業者や町内会の管理が行き届いている為、罰則等があり極端に地区全体が荒廃するような事は起きません。その分家賃は高くこの家賃と治安は密接に関係しています。要するに治安を金で買っているという事です。安いとこに住めばその分安全は保障されませんので少々高くても治安のよい場所を選びましょう。参考になるサイトをいくつか貼っておきます。
住所を入力すればその近辺で発生した事件や事故を見る事が出来ます。
住所を入力すればその近辺の住みやすさをスコアにして表示してくれます。採点項目も家賃、生活費、治安、学校等を総合的に判断しており非常に参考になります。
通勤時間
大体みんな車で20~30分の場所に住んでいる事が多いです。ググマってその近辺で探すようにしましょう。
学校
子供がいる場合これが最重要になるかもしれません。というか学校基準(勿論良い学校)で住む場所を選べば、その他のポイントは大抵クリアできます。どういう事かと言うとアメリカは公立の小学校でも地域によって大きく学力の差があり、皆良い学校に行かせたいので良い学校の周りに人が集まります。そうすると周辺の家賃は高くなり、自然と低所得層の人達は入り込めなくなり、治安は良くなり学力も上昇する、といった具合に良い方向に循環します。余りこういう事は書きたくないですがこれが現実であり、この国においてこれに抗う事は最悪命を危険に晒す行為だと思って下さい。。。学校ランキングのサイトを貼っておきます。
このサイトは良く出来ていて各学校の総合スコア、テスト成績、公平さ、人種比率等の情報が見れます。また住みたい場所の住所を入力すると学校のマークに「Assigned」と表示され、どの学校に通学する事になるのか一目でわかります(公立校の場合)。人種比率は結構重要で特に小学校高学年以上の子供が同伴赴任する場合、いきなり英語だけのクラスに放り込まれて授業を受けるのは荒行が過ぎます。そこで活躍するのが同じ日本人のベテラン小学生です。彼らがクラスに一人でも居るのと居ないのとでは子供が現地校に馴染めるか馴染めないかに大きな差が出てきます。そういう意味である程度はアジアンがいる学校を選択するのが良いと思います。
周りに日本人が多いか
学校の項目にも説明しましたが、ある程度は日本人がいる地域に住んだ方が良いと思われます。海外旅行なら居ない方が異国情緒を楽しめると思いますが、旅行ではなく生活をしに来ている訳なので、何かあった場合を考えた方が良いです。住もうとしている場所の人種比率や収入比率のサイトを貼っておきますので参考に。
結構エグイ情報が盛りだくさんです。
周辺環境
近隣に公園やスーパーマーケットがどれぐらいあるのかチェックした方が良いです。基本車移動なのでそれ程気にする必要は無いですが、何かの時の為に徒歩距離内にスーパーマーケット等があると良いです。住もうとしている場所の徒歩圏内スコアサイトがあるので貼っておきます。
賃貸探しサイトの紹介と用語説明
賃貸探しサイト
賃貸探しサイトをいくつか紹介しておきます。住所を入力するとリストか地図形式でその付近の賃貸物件が表示される仕組みです。各サイトでSellかRentが選択できるのでRentを選択して下さい。その他賃貸の種類(アパート/コンド/一軒家)も選べれるので目当ての物件を絞り込むことが出来ます。サイト毎に若干紹介されている物件に違いがあるので入念に調べましょう。あとこれらのサイトから見学の予約が取れるみたいなので活用して下さい。
ついてでにアパート検討されている人は以下の採点サイト確認した方がいいかも。英語ですが住人の生の声が聴けて参考になります。
用語説明
アメリカの賃貸は以下の基本情報で紹介されています。
- Bed (ベッドルーム) XX部屋
- Bath (風呂+トイレ) XX個
- XX sqft (Square Feetの略/ 1sqft=0.09m2)
LDKとかは出てきません。Bathは0.5だとトイレだけの意味なので、Bath 2.5と書いてあれば風呂 2個にトイレが3個あると考えて下さい。
次に詳細情報として以下の情報が出てきます。
- 築年数
- ペットの可不可
- ガレージ有無
- 空調システム
- 含まれる家電、設備等
家電、設備に関しては理解しにくいものの説明を以下にしときます。
- Forced air
セントラルヒーティングの事。家全体の空調を一括管理します。家がデカいとガス代等が凄い事になる。
- Fireplace
暖炉。ガス式と本物の木を燃やすガチ式があります。
- Vaulted Ceiling
アーチ型の天井。天井が高くなるので広く感じます。
- Washer
洗濯機。こっちの洗濯機はデカい、うるさいでも安い。日本の20年ぐらい前の洗濯機を3倍大きくしたイメージです。
- Dryer
乾燥機。これもデカい、安い。ブン回して乾燥させる。屋外で洗濯物を干しているのを見た事ないので必須。
- Garbage disposal
ディスポーザー。シンクに取付けられている生ごみ粉砕機。
見学の際の注意点
サイトで気に入った物件があれば内部を見学する事になりますがその際の注意点を纏めておきます。
- 家電設備に関して、サイトには記されているのに、実際に見学に行ったら無い、という事があるので仲介者やオーナーに確認して下さい。
- 写真は撮りまくりましょう。初めての海外の物件なので後で他の物件と見比べて色々気付くことがあります。
- 風呂は追い炊きとか出来ないので、しっかり温まりたい人は深いバスタブ物件を探すと良い。
- トイレ座高高過ぎ問題。高すぎると用を足す際に足が浮きますw なので高いかな?と思ったら実際座ってみて下さい。
契約の手順
色々説明してきましたがぼちぼち契約の手順を纏めます。大体2週間ほどで完了するプロセスだと思います。
- ウェブサイトや現場訪問を通じて気に入った物件を絞る。
- 内部見学のアポを取り見学する。
- 見学の際は疑問点は質問しクリアにしておく。
- 気に入った物件があれば前編で記した仮押さえ手続きを行う。
- 全ての内部見学を消化しどの物件にするかの最終判断を下す。
- 本契約
契約書はなるだけ目を通して理解できない部分は明確にしておいた方が良いです。普通に暮らしていれば大丈夫だろうと思うかもしれませんが、日本での普通とアメリカでの普通は違いがあり、更にアメリカは罰則に関して非常に厳しいので注意必要です。また契約後入居前に仲介人立会いの内部検査が行われる事が多いと思いますが、ここでは破損しているもの、壊れて動かないもの、契約書に入っているのに実際には存在しないもの等々しっかり指摘して下さい。これをしておかなければ退去時に自分の責任にされ修理費を請求される事になります。相手は罰則等厳しいのに、こちらが遠慮していたら一方的に不利な契約になってしまいます。グレーな部分は残さずに白黒はっきりさせましょう。
まとめ
かなり長くなってしまいましたが如何だったでしょうか?楽しいアメリカ生活を送る為には住居は最重要だと思うので頑張ってみました。ポイントを以下に纏めます。
- 賃貸の種類(アパート/一軒家等)基本を理解しましょう
- 住みたい地域を絞りましょう、目安は治安、通勤時間、周辺環境
- 場所が絞れたら次は賃貸紹介サイトや実際に現場を回って気に入った物件を複数探しましょう
- 内部見学のアポを取りましょう
- 内部見学で家電、設備等をチェックしましょう
- 契約の際は出来る限り内容を理解しサインするようにしましょう。グレーな部分は残さない事
賃貸契約は赴任者が初めて民間の契約事や一般の人達と接する機会だと思います。いきなりは難しいかもしれませんが、特に普段から遠慮気味な人は少し厚かましいかな?と思うぐらいの態度で物事に対処して下さい。それでもこちらの人からすると普通か扱いやすい人の部類に入ります。相手からすると、質問しないのは理解出来ないで困っている、考えているではなくて、概ね満足している。と理解され場合によっては相手の都合の良い様にされてしまいます。
ちょっと話がそれますが、相手は日本のように単一民族の国の人ではない事を理解して下さい。日本なら外人は目立つので何かやり取りをする際に相手が言葉を理解出来ていない前提で話をしますが、ここの国の人達はちゃんと英語が話せる見掛けアジア人とも多くやり取りをしているので、その前提がありません。すなわちあなたが黙っている事を相手が都合良くとらえると満足している、という事にしてしまえるのです。わざわざ「理解してるか?」なんて聞かずに「これでいいよな?」と聞いてきます。内容を理解しないまま「OKです」と言ってサインをしてしまうと後は相手の思うつぼです。そこまで悪意を持って接してくる人は少ないと思いますがこれも勉強だと思って頑張って下さい!
賃貸家探し編はこれにて終了です。ではまた。
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